林道桐原浅里線から県道35号紀宝川瀬線に戻り、右折して大里地区に入る。 この滝は情報が乏しく、分かっているのは、大里地区のライスセンターの近くということだけである。 県道35号線沿いにライスセンターの看板を見つけ、近くを通りかかった土地の人に道をたずねる。 するとこの那智郷(なちごう)の滝は、地元では子供の遊び場として、かなり有名とのことである。 滝身をウォータースライダー代わりに、滝壷をプール代わりにして遊ぶのだそうで、夏休みともなれば二十人ほどの子供でにぎわうという。 教えてもらった通り、ライスセンターの看板からUターンして次の曲がり角を左折し、林道那智郷線に入る。 道は程なくアスファルト舗装から林道らしいダート路に変わり、やがてコンクリート舗装に変わると、終点の広場である。 林道入り口からは2〜3kmの距離であろうか。 車を降りると、木々の間から那智郷の滝が落ちているのが見えた。 明瞭な踏み跡をたどって、滝に着く。 非常に水量の多い、数段に分かれた斜瀑である。 落差2m程の最下段は、滝壷も大きく、滝の傾斜も緩やかで、子供達がすべり台代わりにして遊ぶというのは、この滝であろうかと思われる。(一枚目の写真) 続く二段目は落差5m程の、比較的傾斜の急な滝で、那智郷の滝群の中では最も立派である。(二枚目の写真) 木から垂らされたロープを伝って二段目の上に登ると、そこにも二つの小さな滝があった。 三段目は落差2m程の斜瀑で、ほぼ真円の滝壷が美しい。(三枚目の写真) 最上段と思われる四段目は落差50cm程だが、滝壷で激しく渦を巻くさまが、なかなか興味深く、面白い。(四枚目の写真) この那智郷の滝は、落差の低い斜瀑ということで、好みの分かれるところであろうが、アクセスが比較的容易なので、近くにある紀宝町布引の滝などに行かれる時には、ついでに立ち寄ってみるのも良いのではないだろうか。 |