雲竜の滝からさらに登山道を登る。 途中、アルミ製のはしごが登山道に固定されている。 はしごを上ってしばらく歩くと、右下に大きな滝が落ちているのが見えた。 斜面が急でどうにも滝へ降りられないので、仕方なくはしごのところまで戻ってみたところ、「一の滝」と書かれた看板が、壊れて谷に落ちているのを見つけた。 するとこの滝が、三馬谷最後の滝・天竜の滝で間違いないわけである。 谷をさかのぼって天竜の滝を目指す。 あと一歩で天竜の滝の全景が拝めるというところで、落差2m程の小滝が行く手をはばんだ。 小滝の滝壷の上は両岸が切り立った崖になっており、迂回する道はなさそうである。 崖と崖の間は約1.5m、両手両足を突っ張れば、なんとか進めそうである。 伊賀町といえば伊賀忍者発祥の地だが、まさか自分自身が忍者の真似事をさせられるとは、思っても見なかった。 左右の手足を岩壁に突っ張り、大の字のポーズをとって前へ進む。 額に汗をにじませつつ、天竜の滝へ到着する。 落差15m程の、この谷では最も大きい滝である。 節理の現れた花崗岩の岩肌を滑り降りる、清冽な水の流れが美しい。 |