伊賀町の滝(9)


不動滝

天竜の滝から昇竜の滝に戻り、三馬谷右股不動谷沿いの三国岳登山道に入る。不動滝
巻きテープや道しるべなども完備しており、良く整備された登山道である。
この道がかつて修験霊場やゾロ峠・鳥不越峠などの交通の要所へ向かう道として賑わっていた名残であろう、踏み跡も非常にしっかりとしている。
堰堤を右岸から二つほど越えると、谷は連瀑地帯に入る。
高巻き道から覗く10m程の斜瀑を過ぎると、少し滝は途切れるが、しばらく歩くと再び小滝に次ぐ小滝となる。
二つ目の10m近い斜瀑のところで右岸沿いの道は崩落しており、通れなくなっていた。不動滝
滝の前へ戻って谷を渡り、左岸沿いの踏み跡に移る。
木立の隙間からいくつかの小滝を覗きながら歩くと、不動谷最後の滝・不動滝である。
立ち木をつかんで谷に降り、不動滝を拝む。
この谷三つ目の、落差10mの斜瀑である。
以前伊賀町役場に滝のことを尋ねた時、現地の滝に詳しい古老を紹介してもらったことがある。不動滝
その方には三馬谷の四つの滝など、色々なことを教えて頂いたのだが、彼はこの滝のことは知らなかった。
かつて−少なくとも江戸時代までは、地元では知らぬ者の無かったはずの滝だが、修験道の衰退や鉄道・車道の開通などの時代の変化により、土地の古老からすらも忘れ去られてしまったようである。
そのような滝は、各地には多いのだろうと思った。


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