布引滝の滝壷から川下り林道に戻り、車止めゲートをまたいで先へ進む。 10分ほど歩くと、右岸へ渡るコンクリートの橋があった。(右写真) そこからしばらく歩くと、右岸から水量の多い支流が合流している。 地図を取り出し、磁石で方位を確認してみると、この谷に大滝のある可能性が高そうである。 コンクリート橋まで戻り、右岸へ渡る。 すぐにY字路に突き当たるが、ここは谷に近い左の道を進む。 程なく踏み跡は無くなり、谷沿いに藪をかき分けて歩くことになる。 この滝を見るには、長袖・軍手は必須であろう。 遡行を始めて15分ほどすると、谷の右岸が岩壁になっているのに気付く。 いかにも滝のありそうな雰囲気である。 ほどなく大滝の下段が見えた。 落差10m、傾斜45°程の静かな斜瀑である。 奥には樹幹から大滝上部が覗いている。 左岸から下段を巻いて、大滝上段の滝壷に到着する。 落差30m程の美しい直瀑である。 深く丸い滝壷の内部は、複雑に侵食されているようである。 このような美しい滝が、誰の目にも触れずひっそりと山の中に落ちているのが、何故かひどく不思議でならなかった。 (2004年11月4日) |