国道166号線から「ホテルスメール」の看板に従って、県道569号蓮峡線へ曲がる。 スメールへの曲がり角は直進し、次のY字路を左に曲がって蓮川沿いの細い舗装道路に入る。 ほどなく灰色の吊り橋「平瀬橋」が見えて来た。 平瀬橋近くの駐車スペースに車をとめ、橋を渡る。 以前はここに登山届を入れるポストがあったのだが、なぜか撤去されていた。 踏み跡をたどり、登山道に入る。 40分ほど急坂を登る。 坂を登りきったところで、広場のような場所に出た。 かつては架線場だったところのようで、近くには物置小屋がある。 小屋の右にあった祠は、壊れて枠組みだけになっていた。 架線場からは、谷からかなり高いところに付けられた、平坦な山道が続く。 事前に仕入れた情報では、ここらあたりで桟橋が落ちているところが二ヶ所ほどあるとのことだったが、幸い新しい丸木橋が架けられていて、通行の支障になるようなところは無かった。(2003/10/08現在) 架線場跡から20分ほどで、白いガレ場に出る。 遠くには落ち口に大岩がいくつも引っかかった、かなり大きな無名滝が落ちているのが見える。 ガレ場を過ぎたところで、ピンクのテープが二本並行に立ち木に巻きつけられているところがあった。 分岐点らしく、右下と左上に道が続いている。 本道らしい、左上の道を進む。 程なく、美しい小滝を連ねた小沢に出る。 沢の上を渡り、5分ほどすると古い崩壊地らしきところに出た。 樹齢20年ほどの木が何本も生えているが、地面は今までに見た白いガレ場そのものである。 しばらく進むと、間伐材が何本も転がっている、比較的傾斜の緩いところに出た。 この先、登山道の傾斜は再び険しくなり、谷からどんどん離れていく。 道の無い林の中を、倒れた間伐材を跨ぎながら進むことにする。 10分ほど林の中を歩くと、谷沿いの山道に出た。 山道を上流に向かい、ほどなくして谷に降りる。 沢靴に履き替え、15分ほど谷歩きをすると、三条に分かれた5m滝である。 事前に仕入れた情報通り左から巻き上がり、なおも進む。 谷に入ってから30分ほど、幅広の15m滝の後ろに布引三段滝が姿を現した。 最上段は見えないが、見えている二段目と三段目だけでも、130mの大瀑である。 なお、三段合わせた布引滝の公称落差212mは、県内第1位・全国第8位であるという。 常々「滝は落差ではない」と言い、小滝マニアを自認する私でも、この130mの大瀑には感動せざるを得ない。 布引滝の前に立ちはだかる、幅広15m滝を越えて、布引の滝を間近に拝もうとしたが、既に時刻は夕方の3時を回っており、断念せざるを得なかった。 谷を下って登山道に戻り、平瀬橋に着いたのは、日没とほぼ同時の5時30分であった。 |