ドッサリ滝から風折滝のある水越谷との合流点(出合)まで戻る。 飯高町担当者の話では、「風折滝までの道は、手付かずの自然を楽しんでもらうため、あえて整備をせずにいる。」のだそうだ。 そのため風折滝への道は登山というより沢登りになり、渓流シューズ等の装備が必要となる。 谷に沿って登山道がつけられてはいるが、途中何ヶ所か水の中に入る必要があり、滑りやすい登山靴では、滝までたどり着くのは困難であろう。
登山道に沿ってテープが巻かれているので、それに従って進む。 行程のほとんどは、この谷沿いにつけられている登山道を進めば良い。 途中登山道は、大岩が積み重なってできたすきまへと続いていく。 岩穴くぐりの難所である。 出口付近には輪になったロープが吊るされており、ここに足をかけて登るのだが、手をかける場所が見つからず難儀する。 仕方なく川に入り、1mほどの小滝を登って先へ進んだ。 出合から一時間ほど歩くと、二条の滝が落ちているのが見える。 エメラルドグリーンに澄んだ滝壷が美しい。
二条の滝を右から大きく高巻くと、3mほどの小滝の中にロープが垂れているのが見える。 谷の両岸は高い岸壁(ゴルジュ)になっており、高巻きの道は無い。 つまり、この滝を突破するのが正式な登山ルートという訳だ。 ロープを頼りに滝の左右の岸に手足を踏ん張り、靴のフリクションも利用して、なんとか登りきる。 谷歩きを続けると、右岸の支流からヒトマゲ滝が落ちているのが見えた。 落差10m程の、優しい流れの段瀑である。
ヒトマゲ滝から程なくして、風折滝に着く。 落差80mの美しい直瀑である。 「風折」の名の通り、風にあおられて刻々と形を変える滝身が面白い。 これは落差の高い割りに、比較的水量の少ない滝に見られる現象だと言う。 この風折滝も、三重のトップクラスの滝であることに、間違いは無い。