熊野市の滝(5)


三ツ滝 三の滝

三ツ滝二の滝から三の滝へ向かう。三ツ滝三の滝
地図によれば、二の滝から三の滝までの右岸(滝の左側)は岩壁になっており、また二の滝から三の滝までの間で川は右に曲がっている。
よって左岸(滝の右側)から登れば、登り易い上近道にもなる訳だ。
飛び石伝いに二の滝の右側へ行き、水量の少ない谷の中を滑らないよう注意しつつ、少しずつ登って行く。
しばらく登ると、二の滝からは大分遠ざかり、滝音はほとんど聞こえなくなっていた。
腕時計につけた方位磁石を見、方角は間違っていないことを確認しながら進むと、周囲の山林が自然林から杉の植林に変わっている。三ツ滝三の滝
植林なら杣道(そまみち。林業者の作業道。)がないかとあたりを見渡すと、幸いにも踏み跡らしきものを見付けた。
踏み跡を上へ上へと登って行く。
尾根へ到達すると、突然激しい滝音が聞こえた。
木々の間に、三の滝が落ちているのが見える。
落差40mほどの、水量の多い樋状の滑滝である。
慎重に山を降り、滝壷の前に立つ。
滝をはじめ滝壷や周囲の川床などの全ては、一繋がりの巨岩でできていた。三ツ滝三の滝
恐らく大丹倉と同じ流紋岩であろう。
滝とその周りの白い巨岩に、初夏の強い日差しがさんさんと降り注いでいる。
滝の音の木霊するその空間は、まさに俗世間から隔絶された異世界のようであった。


三ツ滝 ニの滝へ大丹倉の滝へ



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