不動滝は右岸の巻き道を利用して高巻く。 10分ほどかけて再び沢に降り、さらに30分ほど登ると、右から小滝を伴った枝沢が入る。 谷中には「この先ロープウエイ鉄塔巡視路」と書かれた看板が立っていた。 左に曲がっている本流に入る。 入り口のやっかいな2m滝は右岸の鎖や木の根をつかんで、ようやく越えられた。 数分遡行を続けると、大黒滝である。 落差15m程の段瀑で、普段は水量が少ないのか、滝壷は無い。 大黒滝の名は、この近くに奇岩として知られる大黒岩があることによる。 御在所岳には、この他にも地蔵岩やおばれ石など、数多くの奇岩の名所がある。 弥生時代頃までの日本人には、山中の奇岩・巨岩に神が宿ると考える、いわゆる磐座(いわくら)信仰があった。 今では好奇心の対象でしか無いこれらの奇岩は、かつては神の寄り代(よりしろ)として、神聖な場所であったと思われる。 (2004年9月26日) |