隠れ滝から車に戻り、県道780号線を走る。 ほどなく、松山滝の看板である。 どうもこのあたりには、矢継ぎ早といった感じで滝があるようだ。 車を降りると、車道のすぐそばに、松山滝が落ちているのが見える。 上段に二つの小さな斜瀑を伴った、総落差30m程の大きな滝である。 松山滝の名は、この辺りの山に松の木が多いことから来ているのだろう。 滝の上部を撮影しようと、車道から少し山の中に入ると、足元に子供の握りこぶしくらいの松ぼっくりが、傘を広げて風を待っていた。 |
松山滝からしばらく走ると、今度は荒滝である。 車の窓からでも良く見えるこの滝は、荒滝の名の通り荒々しい。 車道から撮影しても良いのだが、事前に集めた情報では、滝の方へ下る道があるとのこと。 探して見ると、荒滝の看板から少し下ったとこのガードレールに虎縞のロープがくくり付けてあるのを見付けた。 機材をリュックに詰め、ロープを頼りに滝の方へ降りて行く。 荒滝を拝む。 落差40mの、堂々たる段瀑である。 ごつごつした急な岩肌を落ちる水流が、滝身の至るところで激しい水しぶきを上げている。 さて、この上には日本の滝百選に選ばれた布引の滝がある。 今まで見てきた紀和町の滝 滝の魅力が落差や水量だけでは無いというものの、これらの滝が迫力に満ちた素晴らしい滝であることに間違いは無い。 「布引の滝がいかな名瀑であろうとも、これらの滝とどれだけの差があるものだろうか。」 そう思いながら、車を布引の滝へ向けて走らせた。 |