八丁大滝から県道780号線に戻り、布引の滝へ向かう。 するといくらも走らないうちに、「隠れ滝←195m」の看板があった。 看板のところから山道に入る。 道のところどころには丸太を組んで造った橋がかけてあるが、腐りかけているのも多く、体重を預けるのは危険な状態である。 橋に頼らず、迂回して周囲の岩をそろそろと進むことにする。 数分歩くと、隠れ滝が見える。 この滝も素晴らしい迫力である。 霧のような水しぶきが、広い範囲にわたって渦を巻いている。 夏場であれば機材を降ろして、わざと水しぶきのあたるところで涼をとるところだが、季節はまだ冬である。 水しぶきのあたらないところを探して、撮影に入ることにする。 事前に集めた情報では、この隠れ滝は落差25mほどの細長い直瀑であり、下部で三つ又に分岐しているはずである。 しかしここ数日来の雨で川が増水したためか、滝の形まで変わってしまっているようだ。 隠れ滝の名の通り、人目にふれないところでひっそりとたたずんでいる筈の滝だったが、吠えるような滝音と激しく上がる水しぶきは、存在感充分であった。 |