松阪から国道42号線を一時間ほど南下し、紀勢町に入る。 沼ヶ野信号交差点を左折し、次のY字路も左折して林道注連小路(しめこうじ)線を走る。 そのまま集落の間を抜けて杉林の中へ入ると、左手にお堂が見える。 看板に「遍照金剛」と書かれていることからして、真言密教の開祖・空海を祀った大師堂であろう。 大師堂の左に続く樫谷作業道の入り口には、鳥居が見える。 古老の話によれば、この奥に不動滝があるはずである。 鳥居の前に車を停め、作業道を進む。 10分ほど杉林の中を歩くと、樹幹から美しい滝が姿を見せた。 落差15mはあろうかという直瀑である。 林の中に静かに落ちるその姿は、荒々しい不動の名が似つかわしくないほどのたおやかさである。 滝の傍らに安置された不動明王像を拝む。 座像の、素晴らしい造形の不動像である。 恐らくこの滝も、かつては笠木不動滝と同様修験霊場としての賑わいを見せていたことであろう。 (2004年11月25日) |