踏み跡を拾って、カズラ谷の堰堤の上に降りる。
恐らく作業小屋の跡であろう、トタン板が散らばっているのが見える。 二つ目の堰堤は左岸から小さく巻く。 しばらく歩くと、廊下が始まった。 廊下の中には、落差1〜5mの小滝が幾つか落ちている。 どれも難易度は高くなく、沢登初級といった程度であるが、滑りやすい登山靴などでは、このゴルジュを抜けるのは無理だろう。 廊下帯を抜け、さらに2〜3の小滝を越えて行くと、前方にカズラ滝(カズラ谷の二段滝)が見えた。 時間にして布曳滝から50分ほどであろうか。 下段8m、上段2m、総落差10mの二段に分かれて落ちる段瀑である。 下からは上段が良く見えないので、下段を登ることにする。 下段の左側は手足をかけるところが多く、簡単に登ることが出来る。 カズラ滝の上段は、独立した滝壷を持つ、美しい直瀑であった。 帰路は左岸の林を抜け、ゴルジュ帯をエスケープすることにする。 林のそこここには、イヌビワが赤い実をつけていた。 (2005年11月1日) |