ウグイ滝のあるウグイ谷は、大杉谷登山口の手前、宮川第三発電所のすぐ近くにあるという。 松阪から宮川村に入り、六十尋の滝の前を通りすぎて数分走ると、欄干に「ウグイ谷橋」と書かれた橋を見付けた。(註.ウグイの表記は漢字。魚編に成。) 車を路肩に停めウグイ谷を眺めると、谷の右側(左岸)に明瞭な踏み跡があった。 踏み跡から山に入る。 数分歩くと、踏み跡は下り坂になり、谷へ降りてしまった。 少し引き返し、山道を上へと向う。 自然林の中を通る、意外に整備された道である。 かつては炭焼きが通った道か、それとも今は使われていない登山道であろうか。 途中小さな谷を渡り、なおも上へと進むと、木々の間からウグイ滝の一段目が落ちているのが見えた。(上の写真) 上部に長いナメを伴った、落差8mほどの豪快な直瀑である。 ここから落差20mはあるという、ウグイ滝の二段目に降りてみようと思ったが、滝の両岸は切り立った岩壁(ゴルジュ)になっており、迂回するしかなさそうであった。 山道を引き返し、滝の下へ降りる道は無いかと探したが、結局見つからず、さっき谷へ降りてしまった道から遡行することにする。 沢靴に履き替え、さしたる難所も無く、順調に遡行して行くと、20分ほどでウグイ滝の二段目が見えた。 コバルトグリーンの滝壷が美しい。 最近滝を見に行くと、心無い人の捨てたゴミにがっかりさせられることが多かったのだが、このウグイ滝は、ほとんど誰にも知られていないせいか、まったくそういうことは無く、快適に滝見を楽しむことができた。 |