鮎止の滝から小岐須山の家の隣にある駐車場へ戻る。
駐車場奥には「一ノ谷登山道入口」の看板が出ている。 この野登山(ののぼりやま)登山道の途中に、スリバチ滝という珍しい滝があると言う。 道しるべに従って御幣(おんべ)川本流に降り、橋を渡って対岸へ移る。 しばらくして出てくる分岐点では案内板の通り右に曲がり、登山道入り口から10分ほど歩くと、道は一ノ谷に沿うようになる。 程なく、木々の間からスリバチ滝が見えた。 落差10m程の二段に分かれて落ちる滝である。 落差7m程の上段は樋状の滑滝で、水流に丸くえぐり取られた岩壁が美しい。 同じく3m程の下段は二条に分れる分岐瀑で、それぞれの滝身が左右に透明度の高い滝壷を造っている。 登山道を少し戻り、堰堤のところから入渓する。 谷の両岸は、高さ5m程の切り立った岩壁(ゴルジュ)になっている。 100m程谷を歩き、スリバチ滝の滝壷に到着した。 この水流が、巨大な岩塊を侵食して、このゴルジュやスリバチ滝を造るのに、どれだけの歳月を費やしたことであろうか。 自然の造り出した美の素晴らしさに、感嘆の念を感じずにはいられなかった。 (2004年8月19日) |