光滝から車に戻り、西に向かう。 数十mで車川地区である。 観音寺と車川八幡神社の近くの交差点を左折、橋を渡る。 ここは濁川支流の上津又川と中津又川の合流点となっている。 左の中津又川の左岸に沿う道を進む。 程なく墓地である。 墓地から3〜400m程のところに、黒い切妻屋根の小屋があり、中津又川に落ちる枝谷がある。 この谷が不動谷で、上流には不動滝があり、5年前までは毎年一月の末に祭事がとり行われていたという。 谷入り口付近の路肩に車を停め、15m程林道を戻って踏み跡に入る。 長年にわたって踏み固められたためであろう、踏み跡はしっかりしており、迷う気遣いは無さそうである。 途中何ヶ所か分岐点があるが、一番水量の多い谷、しっかりした踏み跡の付いている谷が不動谷である。 15分ほど歩くと朽ちかけた鳥居があり、不動滝が落ちているのが見えた。 落差10m程の斜瀑である。 滝の右側には不動明王のものとおぼしき祠と、役の行者(えんのぎょうじゃ)の像が安置されている。 修験道の開祖とされ、数々の山頂に祀られている役の行者だが、滝のそばで見かけるのは珍しい。 三重の信仰の滝には、密教色の強いもの、神道色の強いものなどさまざまなものがあるが、この車川不動滝は、修験の色合いの濃い滝と言えそうである。 (2004年11月29日) |