夫婦滝からしばらく歩くと、想い滝の看板が見える。 2段に分かれて落ちる、落差4mほどの滝である。 滝の中ほどに小さな円形をした滝壷があり、この中を、落ちた水がまるで思案でもするかのように、ぐるぐると回っている。 想い滝の名は、このようすが恋の悩みを抱えた、若い男女の心中に似ているから付けられたのだろう。
想い滝のすぐ上で、忍ぶ滝が落ちる音が聞こえる。 落差5mほどの滝だが、忍ぶ滝の名の通り、滝身の上に大きな岩が覆い被さっていて、ほとんど滝を見ることができない。 落ち口のあたりまで飛び石伝いに渡って行って、ようやく滝の全景をカメラに収めた。
忍ぶ滝からしばらく歩くと、清め滝がある。 落差5mほどの美しい斜瀑である。 三重県の滝は、修験者達の水行の場であることが多いのだが、この清め滝も、かつては修験者達が滝に打たれ、身を清めていたのだろうか。
清め滝の奥に隠れ滝の看板が見える。 音からして清め滝の真上に落ちているようだが、隠れ滝の名の通りまったく見えない。 木々に巻かれた赤いテープを頼りに、谷の左側(右岸)から迂回すると、岩の隙間から美しい滝が覗いていた。