発電所の奥へ向かうと、大きな門が道を塞いでいる。 右側に取り付けられた鉄製の梯子を上って門を越え、山道を進む。 20m程歩くと、左下に出羽の滝が見えた。 杉林の斜面を下り、滝に近付く。 滝名の由来は、北畠具教の家臣・出羽守秀定に由来するという。 伊勢の国の有力な戦国武将であった北畠具教は、1576年織田信長の手の者によって暗殺されてしまう。 出羽守秀定は、暗殺者たちより主人の首を奪い返すとその首を山上に葬り、八面六臂の活躍で敵を散々に蹴散らす。 しかし多勢に無勢はかなわず、最後にはこの滝の滝壷に馬ごと飛び込んで壮絶な討ち死にを遂げたという。 今では山崩れで滝壷も埋まり、落差も3m程と小さくなってしまった出羽の滝であるが、その名は北畠氏の忠臣秀定とともに、末長く語り継がれて行くことだろう。 (2005年5月5日) 追記:この滝は小さいため、秀定が自害したのは大滝ではないか、との説もあるようである。 (伝書鳩さんの情報より 2005年5月11日) |