松阪から海山町に入り、大河内川右岸沿いの県道603号大杉谷海山線に曲がる。 8km程舗装道路を進むと、地図で不動滝とかかれている辺りに「白滝橋」というのを見付けた。 橋の近くに車を停め、不動滝を探す。 『不動』滝というからには信仰の滝であり、修験者道も付けられている可能性が高い。 もっとも熊野市の不動滝のように、廃道となって通れないケースも多々あるのだが。 谷沿いを歩きまわると、白滝橋から少し戻ったところの路肩にガードレールの切れ目があり、そこから明瞭な踏み跡が伸びているのを見付けた。 踏み跡をたどると、熊野古道を思わせるような石組で造られた、幅1.5m程の修験者道である。 ところどころ崩れたり土砂で埋まったりはしているが、通れない程ではない。 薄暗い修験者道を進む。 辺りは連瀑地帯であり、美しく大きな釜を伴った、落差数m程の滝がいくつも見受けられる。 前方から響く一際大きな滝音に目を凝らすと、木々の間から落差10mの不動滝が見えた。 滝の近くには、岩をくり抜いて造られた不動明王の祠がある。 落ち口付近の、滝に磨かれた岩肌が美しい。 |