度会町の注連指(しめさす)に、男滝(おだき)・女滝(めたき)というのがあるらしい。 女滝の方は比較的行き易いところにあるようだが、男滝の方は土地の古老しかその場所を知らず、昭和の終わりまで写真すら撮られていなかった“秘瀑”だと言う。 度会町役場に電話をかけ、問い合わせて見る。 やはり男滝の詳しい場所は分からないそうだが、とりあえず付近の地図をFAXして頂いた。 翌日、AM7:00に松阪を出発。 国道42号線を30分ほど下り、栃原交差点で左折する。 地図通りすぐ右折してしばらく道なりに走り、橋を渡ってしばらくしたところの四つ角を左に曲がる。 2つ目の橋を越えたところで右に曲がり、注連指に入る。 しばらく走り、農作業をしている土地の人に道を聞く。 「しばらくこの道を真っ直ぐにいったところに、ガードレールがあるでな。そこが女滝や。男滝は・・・もうちょっと山の奥に行かんとあかんやろけど。(ーー;)」 やはり男滝の場所はご存知無いようである。 坂道を登ると、こげ茶色のガードレールがあった。 脇の広場に車を停め、階段を下って女滝へ降りる。(上の写真) 小さいが、なかなかの美瀑である。 次に男滝に向かう。 女滝の上流にあるとのことなので、谷川を遡って行く。 渓流の美しさを満喫しつつ登っていくと、はたと困ってしまった。 川が分岐している。 とりあえず本流っぽい、右側の川を登る。 しばらく歩くと、滝の音がする。 「男滝か!?」と思い、駆け寄って見ると、1m足らずの小さな滝である。 これが男滝なら、昔の日本人が非常に進歩的な、男女同権思想を持っていたと言えるだろう。 残念ながら、そんなことはありっこない。 滝の音がする、滝の姿が見える、しかし近づいて見ると小滝‥‥‥ そんなことを三回くらい繰り返す。 二時間程谷川をさかのぼるうち、大分水量が少なくなっているのに気付いた。 この上に男滝はありそうもない。 渓谷美と、小さいながらも3つ程の滝の魅力を堪能したことに満足して、引き返すことにする。 |