魚止滝からしばらく登山道を歩くと、宇賀渓川沿コースと山沿コースの分岐点に着いた。 分岐点にある案内板によれば、川沿コースからは燕滝と五階滝の下部が、山沿コースからは五階滝の上部が見られるようである。 そこで行きは川沿コースを通って燕滝・五階滝下部を見て最終の長尾滝に行き、帰りは山沿コースをたどって五階滝上部を見ることにした。 川沿コースを進む。 要所要所には固定ロープや道しるべが付けられているものの、分岐点までの整備された登山道とは打って変わって、難易度の高いコースである。 低山ハイキングというよりは、ちょっとした沢登りと言った方が良いかも知れない。 魚止滝から30分ほど歩くと、二つの滝が向かい合わせに落ちているところに出た。 右側の落差5m程の滝は、宇賀渓支流蛇谷に落ちる五階滝の最下段(右)、左側の落差8mの滝は宇賀渓本流に落ちる燕滝(左上)である。 燕滝を拝む。 日本酒を入れる銚子のような形をした、激しい流れの滝である。 燕滝の名は、この姿が燕が翼をすぼめて飛ぶ様に似ているから付けられたのだろう。 石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも 志貴皇子 学生時代覚えてすっかり忘れていた短歌を、ふと思いだした。 五階滝最下段の右側を巻き上がり、続いて燕滝の巻き道に入る。 後ろを振り返ると、五階滝最下段の上に、落差12mの、五階滝の四段目(左)が落ちていた。 (2004年4月22日) |